篭の中の鳥なけば空とぶ鳥のよばれて集まるがごとし|日蓮聖人【御遺文】

日蓮聖人のお言葉

日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉(御遺文)は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。

今回ご紹介するのは、『法華初心成仏鈔』の一節です。

 

御遺文 原文

篭の中の鳥なけば空とぶ鳥のよばれて集まるがごとし。空とぶ鳥の集まれば篭の中の鳥も出でんとするがごとし。口に妙法をよび奉れば我が身の仏性もよばれて必ず顕われ給う。

・御遺文名『法華初心成仏鈔』
・建治3年(1277年)
・日蓮聖人 56歳

 

御遺文 現代語訳

カゴのなかの鳥が鳴けば、空を飛んでいる鳥がその声に呼ばれて集まるように。

空を飛ぶ鳥が集まると、カゴのなかの鳥もその声に誘われて出ようとするように。

私たちが口に妙法を唱えるならば、私たちの身にそなわっている仏性も呼ばれて、必ずあらわれるのである。

 

御遺文 解説

仏性とは、私たち人間を含めた生きとし生けるもの衆生が生まれながらに持っている、仏となることのできる性質。仏となる可能性のことです。

日蓮聖人は、無心にお唱えするお題目、南無妙法蓮華経の功徳によって、私たちに元来そなわっている仏性を呼び覚ますことができるとおっしゃっています。

 

 

南無妙法蓮華経