日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉(御遺文)は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。
今回ご紹介するのは、『開目鈔』の一節です。
御遺文 原文
孝と申すは高なり。天高けれども孝よりも高からず。又孝とは厚なり。地あつけれども孝よりは厚からず。
・御遺文名『開目鈔』
・文永9年(1272年)
・日蓮聖人 51歳
御遺文 現代語訳
孝というのは、最も高い価値があるということである。天は高いけれでも、孝よりも高いということはない。
また孝とは、厚いということである。大地は途方もなく厚いけれでも、孝より厚いということはないのである。
御遺文 解説
「孝」と聞くと孝行、とくに親孝行を思い浮かべると思います。
「孝」とは、よく父母に仕える、父母を大切にする、という意味があります。
日蓮聖人は、古代中国の儒教の思想から「孝」を用いて、仏教を学ぶものは「孝」を尊重し実践しなければならないと示されています。
父母への感謝にとどまらす、すべての人に生かされている恩を感じ、感謝の気持ちを持ち続けたいものです。
南無妙法蓮華経