日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉(御遺文)は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。
今回ご紹介するのは、『千日尼御返事』の一節です。
御遺文 原文
おとこは柱のごとし、女は桁のごとし。おとこは足のごとし、女人は身のごとし。おとこは羽のごとし、女は身のごとし。羽と身とべちべちになりなば、なにをもってか飛ぶべき。柱たおれなば、なかわ地に堕ちなん。家におとこなければ人のたましいなきがごとし。
・御遺文名『千日尼御返事』
・弘安3年(1280年)
・日蓮聖人 59歳
御遺文 現代語訳
夫は家の柱のようなもの、妻は桁(※)のようなもの。
夫は足のようなもの、妻は身体のようなもの。
夫は翼のようなもの、女性は身体のようなものである。
鳥は、翼と身体とが別々になってしまったら、どうして飛ぶことができようか。
家の柱が倒れたら、桁は地に堕ちてしまう。
それと同様に、家に夫がいなければ、人の魂がなくなってしまったようなものである。
※桁・・・家の柱の上に横方向に渡して支えとする材木
御遺文 解説
日蓮聖人は、『千日尼御返事』のなかで夫と妻のあり方ついて述べられています。
夫婦はお互いに尊敬と信頼を持って支え合って生きていかなければならないということを、家、人の身体、鳥に例えて示されています。
南無妙法蓮華経