日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉(御遺文)は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。
今回ご紹介するのは、『重須殿女房御返事』の一節です。
御遺文 原文
わざわいは口より出でて身をやぶる。さいわいは心より出でて我をかざる。
・御遺文名『重須殿女房御返事』
・弘安4年(1281年)
・日蓮聖人 60歳
御遺文 現代語訳
人は自分が発した言葉によって、災いを引き起こすものであり、ひいては我が身を滅ぼすことがある。
一方で、心根が良ければ幸せを招き、我が身が栄えるのである。
御遺文 解説
人は自らの発言によって、知らないうちに人を傷つけてしまうことがあります。
それが元で身を滅ぼすこともあるでしょう。口は十分に慎まなければなりません。
日蓮聖人は、しばしば日常的なことわざを用いて、法華経信仰のあり方を示しています。
『重須殿女房御返事』では「口は災いの元」ということわざを発展させ、幸いが心根の良さから生まれるものであると示されています。
南無妙法蓮華経